2011年1月30日日曜日

いよいよ世界が動きはじめたか。チュニジアにつづいてエジプトが。

 昨夜というか,今朝というか,眠れなかった日本人は多かったことと思う。そして,歓喜した人が・・・。ドーハの悲劇を記憶している人たちにとっても,この一戦の勝利は重い。日本のサッカーはいよいよ新しい時代に入ったと言ってよいだろう。それほどにこのチームは試合ごとに強くなった。まことに成長いちじるしい。そして,この勝利は大きな自信となって,こんごにつながるだろう。わたしも楽しみにしている。
 しかし,サッカーは勝ったり負けたりの世界。一喜一憂する世界。それだけに,一場の喜怒哀楽にこころを奪われてしまって,もっと大きな事件が起きていることを忘れてはなるまい。とりわけ,メディアが世界の重大ニュースを軽視するのではないかと心配だ。
 そう,チュニジアにはじまるエジプトの動向である。昨日の夕刊あたりでは,エジプトの警察も軍隊もデモ隊に対して手加減しているような情報が流れていたので,ほっと胸をなでおろしていた。そして,いよいよ,ことばの正しい意味での「民主化」(アメリカのいう民主化は眉唾ものであることは衆知のとおり)を達成することができるか,と期待に胸がふくらむ。加えて,今朝のインターネット情報には,フランス・ドイツ・イギリスが共同声明を発表した,とある。しかも,デモ隊の意志表明と行動を正当化し,支持する,という内容だ。これで国際社会の側からのギアが一つ入った。つぎはアメリカの動向だ。アメリカ的「民主化」はムバラク支持でこれまでやってきた。が,こんどというこんどは,そうは単純ではなかろう。しかも,大統領選挙がかかってくる。ここはオバマ君の賢い選択(世界全体のとおい将来を見通した選択)を期待したいところ。
 チュニジアにつづいてエジプトの「自発的」な民主化が成功すれば,中東世界におよぼす影響は計り知れないものがあろう。それこそ連鎖反応的な「雪崩現象」が起こる可能性が大である。だから,これからの動向には,ことのほか注目していきたいと思う。なぜなら,いよいよ世界が動きはじめた,と感ずるからである。世界が動くとは,ユダヤ教,キリスト教,イスラム教の「一神教」三兄弟の勢力地図が変わるということ,とわたしは考えている。キリスト教(次男)とユダヤ教(長男)が手を組んで,イスラム教(三男)をいじめにかかっている,単純に言ってしまえば,これが世界を認識する一つの見方だ。長い間,苦労してきた長男は次男の権力の陰に隠れて,わがまま勝手なふるまいをしながら,次男になにかと指示をだす。悪い奴は三男だ,と。次男は長男の言うとおりに三男いじめに走っている。しかも,それが「正義」だと騙りつつ。しかし,この三男は一筋縄ではない。なにせ,三男を信仰する信者の数は,長男や次男の信者の比ではないからだ。しかも,発展途上国に広がっていて,いずれも貧困にあえいでいる。つまり,いつ爆発してもおかしくない火種を抱え込んでいるのだ。
 その「正義」の一角が音を立てて崩れ落ちようとしている。さて,次男グループのリーダーを任じてはばからないアメリカはどうするのか。同じ次男さんでリーダーを(これまで不承不承)支持してきたフランス,ドイツ,イギリスが,いよいよリーダーにさきがけて造反の意志表明をした。これはただごとでは済まされない。リーダーはいかなる選択をするにしても苦衷の選択とならざるをえない。リーダーはきわめて重大な意志決定を迫られた,と言っても過言ではなかろう。
 この動きを,同じ強権によって国家を支配しているロシアと中国は,よりいっそう緊張感を高めつつ,息をひそめて眺めているだろう。なぜなら,明日はわが身だから。インターネットに素早く反応する国民をかかえる中国は,はたして,この情報をも国家管理してしまうのだろうか。しかし,隠せば隠すほど,その反動は大きい。しかも,隠しきれないのがインターネット情報なのだ。かならず,漏れ伝わっていく。
 いよいよ世界は動きはじめたか・・・とわたしは本気で考えている。
 アジア杯優勝の喜びは喜びとして存分に味わいつつも,一方では,覚めた頭脳をはたらかせてエジプトの今後にも鋭いアンテナを張っていきたい,そして,わが国の政権のゆくえも放ってはおけない,いよいよ,われわれ自身も動きしはじめなくては・・・・と。

1 件のコメント:

大仏 さんのコメント...

 エジプトで?!
と思いましたね、ニュースを見たときは…。
今までのデモとはちょっと違うような気配も受けました。

情けない話ですが「騙りながら」は思わず辞書を引きました。(~o~)(^^;)(^^;)