2011年5月18日水曜日

「こちら特報部」の東京新聞が素晴らしい。

今日は,週に1回の稽古のあとのハヤシライスの日。例によってKさん,Nさん,Iさんの3人。ほかの人たちはさきの予定があって足早に帰る。今日は,なぜか,3人ともカレーライスだった。それも,半分の人,少なめの人,まるまるの人という具合にライスの量については注文が分かれる。そして,いつものようにKさんの素朴にして鋭い質問がNさんに向けられる。それに懇切丁寧に応答するNさん。少しも手抜きはしない。それを聞いているIさんは,いつも感動している。そして,あっ,いけない,今日もボイスレコーダーを忘れている,と。

というわけで,Nさんによるスペシャル・レクチャーは,残念ながらここでは紹介できません。ただ,そのなかの一部には,6月18日(土)に予定されている「ISC・21」の6月例会の『宗教の理論』(バタイユ)読解のど真ん中に入っていくような話があった。それはヒトが人間になるとはどういうことか,という話。赤ん坊がことばをおぼえていくプロセスを考えるとよくわかる,という切り出しから深い話へと分け入っていく。わたしは,しばらくの間,唖然として聞いていた。そうか,「はじめにことばありき」という聖書のことばには,そういう意味も籠められているんだ,とこころのなかでつぶやく。で,それは伏せておいて,その話は『宗教の理論』でいうところの「動物性」から「人間性」へと「横滑り」していくときのことを考える重要なポイントになりますね,とわたし。ああ,これで6月例会の入り口は決まりました,とわたしは嬉しくて仕方がない。Kさんは,早速,手帳を出して「6月18日ね,空けとかなくちゃ」と乗り気まんまん。

解散後,わたしは鷺沼の事務所に向う。その前に,コンビニで東京新聞を購入。このところ毎日のように東京新聞を買って読んでいる。もう,ずいぶん前から(「3・11」以前から),Nさんが,いま,まともな報道をしているのは東京新聞だけだよ,と言っていたので,ちょくちょく買って読んではいた。しかし,5月12日のNさんのブログ「やっぱり東京新聞」を読み,納得。そして,しばしば話題になるのが,東京新聞の「こちら特報部」という2面にわたる特報記事。だから,電車に乗ってすぐにここから読みはじめる。

いきなり眼に飛び込んできたのは,つぎのような見出しのコラム。
原子力ポスターコンクール見送り
教育に「推進」おかしい
市民が中止要請
「事業費は自然エネルギーに」
これがひとつのコラムのなかで躍動している「見出し」である。これだけで,中身を読まなくてもわかってしまう。ほんとうにそうだよ,と思う。原発安全神話をでっちあげた大きな力はここにあったのだ。つまり,子どものやわらかい頭脳を洗脳するという恐るべき方法。刷り込みは若いほど効果がある。これを「市民の要請」があって実現した,というところが嬉しい。いよいよ動きはじめた,こころある人びとが。そう,幼い子どもをもつ親が立ち上がるべきときだ。そして,まずは子どもの「命」の安全を確保すること。そのためには,できるところから身の丈に合わせて,行動を起こすしかない。この記事に,まずは,感動。
つぎのコラムは,うーん,そうなっていたのか,と勉強になる。まずは,見出しの列挙から。
日本の電気はなぜ高い!?
新規業者縛る「制度」
・割高な送配電網利用料
・参入46社で販売3%未満
まず,現在の電力供給のしくみをわかりやすく説明した上で,それが自由競争をはばむ「制度」で守られている。ここでも,東電のような地域独占の電力会社を解体すれば,電気料金はやすくなることを,具体的に解説してくれている。これを読めば,電力の自由化と発電・送電の分離が,まずは突破すべき当面の課題であるということもよくわかる。
そして,そのとなりのコラムの見出しはこうだ。
欧米で進む「発送電分離」
電力10社自由化阻む
電源分散で再生エネ促進
原発の高コスト明らかに
電力の自由化が進めば,あちこちで独自の発電ができるようになり,工場も規模に応じた自家発電が可能となる。そして,余剰電力を一般家庭に買ってもらうこともできる,というわけだ。そうなると,概算では,いまの電気料金の三分の一くらいに下がる,らしい。そうなると,いまの原発のコストがいかに高いかが明らかになる,というのだ。これも,みごとに納得。
こういう記事を読んでいると,わたしたちが考え,選択し,行動すべき道筋がみえてくる。これこそが新聞の責務ではないか。

Nさんのブログによれば,毎日新聞も「脱原発」に舵を切った,産経新聞もなかなかまじめに取り組んでいる,という。読売新聞は正力松太郎以来の原発推進派なので,これはもう論外。かつて,もっとも左翼的といわれた朝日新聞は,いまや,どっちつかずの体たらく。

というようなことが,自分の思考をとおして納得できるようになってきたので,いよいよ,朝日新聞にお別れするときがきたなぁ,としみじみ思う。

よし,来月から朝日を断って,東京にしよう。これもまた,自分の身の丈に合わせた,手のとどくところからはじめる「脱原発」のひとつの行動だ。「原子力ポスターコンクール」を止めた,こころある市民を見倣って。


1 件のコメント:

大仏 さんのコメント...

「教育に『推進』おかしい」の記事が気になります。普通に使われている文言だけに。