2011年8月23日火曜日

町内会の組織にまで手を伸ばしていた東電の「まき餌」の話。

いまさらなにを・・・と言われそうですが,直に経験した人からこの話を聞いたときは「えっ,そうなの?」と確認してしまいました。東電の接待で,バス1台をチャーターして柏崎原発に見学に行ったことがある,と。いわゆる,あご,あし,付きの接待。いまは,世田谷区に住む学生時代からの友人の体験談。

会社を定年で退職したあと,町内会の仕事を手伝うようになり,いつのまにか会長さんに。人望のある人間なので,さらに大きな町内会連合会の会長さんにもなった。そのころの話(しかし,そんなに古い話ではない)。役員さんの懇親会を兼ねた自主的な旅行は以前からおこなわれていた,という。そこに,東電が割り込んできて,一泊二日の観光を兼ねた柏崎原発の見学会へのご招待,という話が持ち上がった。

只なら,こんなありがたいことはないとばかりに,希望者を募った。すぐに満席になったという。その当時はまだ「原発安全神話」の真っ只中にいたので,なんの疑問もいだいてはいなかった。だから,柏崎原発の見学もさることながら,途中で温泉にひたり,飲み食いをし,観光地をめぐり,みんなで存分に旅を楽しんだとのこと。

しかし,いまにして思えば,あのときの金は全部,おれたちの払った電気代だったのだ,と友人。しかも,あのときの接待はみんな原発推進のための「まき餌」だったのだ,と。どうりで電気代が高いなぁ,と思ってはいたが・・・と。この友人は仕事の関係で外国事情に詳しい。かれによれば,日本の電気代はアメリカにくらべたら3倍ほどになる。みんな原発建設費と地域住民説得費とその他の人びとへの「まき餌」代(もちろん,この中には政治家や官僚の接待も含まれる)。その結果が,今回のフクシマであり,その後のゲンシリョクムラの演じた「やらせ,隠蔽,ウソ,八百長,でっちあげ,無視,おどし,改竄,内部告発隠し,・・・・」などのやりたい放題の露呈だ。

ひとしきり,こんな話が繰り広げられ,「世も末だね」ということになった。そして,なんともはや情けないこと限りなし・・・と落ちこんでしまった。こんなにまでしなければ原発推進は不可能だったのだ。ということは,最初から当事者たちは原発は危険なものだということを熟知していた,としか思えない。だから,そのことを必死になってひた隠しにしなければならなかった。だがら,いかにして原発のイメージを平和で明るい未来をきりひらくためのツールとして印象づけるか,ということに全力をあげたとしかいいようがない。でなければ,町内会の懇親会や旅行までセットして,ご招待するなどということはありえないはずだ。

もし,そうだとしたら,これはまぎれもない詐欺ではなか。国を挙げての「ペテン」ではないか。ウソをウソで固める,ウソだらけの話。ここまでウソを積み上げれば,それはいつしか「真実」になってしまう。ウソ変じて真実となる,という手品の仕掛けが,とうとう露呈してしまった。

いつ,だれが,どのようにして,この手品の「仕掛け」をでっちあげてきたのか。その検証はいつか必ずやらなくてはなるまい。それなくして,日本の再生はありえない。

それにしても,この友人の話は,あまりにも身近で,しかも,リアルで,わたしにはショックが大きすぎた。「まき餌」はどこにでも待ち構えている。おいしい話ほど危ない。みずからがその罠にはまらないように気をつけなくては・・・・。

0 件のコメント: