2012年7月12日木曜日

明日は金曜日,首相官邸前で意思表示をしようと思う。

 いろいろの仕事や行事がかぶっていて,金曜日の夕刻の時間が自由にならなかった。明日はなんとか大丈夫なので,でかけてみようと思う。終章(首相)官邸前へ。そして,自分なりの意思表示をしてみたい,と。その場に立ち,その場で考え,その場で意思表示をすること。いま,できることのひとつとして,できることはやる,それが生きることの基本と考えて。

 これまでも,昨年の「4・11」デモ参加以来,できる範囲でちょこちょこととあちこちの集会にはでかけるようにしてきた。が,このところめっきり遠ざかっていたので,久しぶりだ。

 長い間,死んだふりをしていた原子力ムラがここにきて自信を取り戻したかのように,さまざまな揺さぶりにでてきている。自分たちの責任問題はなんとか回避できると踏んだのだろうか。この手法で乗り切れると読んだのだろうか。「そんなことは言った覚えがない」「そんなつもりはなかった」「議事録はありません」「それは社内の機密事項です」などと馬鹿みたいな問答をくりかえし,それで切り抜けられると確信したのだろうか。

 そうは問屋が卸さない。世の中,そんなに甘くはない。問題の核心はこれからだ。なにもかも「不明」な段階での現状では身動きがとれないし,ある程度までは仕方がない。しかし,「事実」はいつかかならず明らかになる。

 フクシマの原発事故は「津波」によるものだという一点張りだった東電の主張に対して,ようやく国会の事故調査委員会が発表した調査報告書が,一歩踏み込んだ解釈をした。「地震による損傷の可能性は否定できない」,と。毎度のことながら,『東京新聞』(7月12日)の「こちら特報部」が大きく取り上げている(出田阿生,小倉貞俊記者)。国会の事故調査委員の一人である田中三彦氏(原子炉圧力容器の元設計者・現在は科学ジャーナリスト)は,津波がくる前にすでに原子炉には異常が起きていた,つまり,地震による事故が最初であった,と指摘し,その根拠について丁寧に説明している。この説は,これまでも多くの専門家が指摘してきたことがらだ。しかし,東電は事実無根として無視してきた。この東電発表の「ウソ」が,ひとつずつ暴かれはじめている。外国の専門家からも同じような指摘がされているという。

 にもかかわらず,大飯原発は安全評価(ストレステスト)の一次評価だけで,政府は再稼働を決めてしまった。本来のルールでいけば,06年に制定した「指針」にもとづき「再点検」することが不可欠のはず。そのように国民に約束したルールのはず。それを政府は無視した。そして,津波対策だけをして,あとは時間がかかるからという理由で省略してしまった。こんなことが平然と行われているのである。

 これは,もはや,黙って見過ごすべき事態ではない。
 わたしも政府の,このむちゃくちゃな決定の仕方に異議申し立てをする一人として,首相(終章)官邸前に立ち,意思表示をしなければならない。明日の金曜日,ついに,そのチャンスが巡ってくる。

 聞くところによれば,地下鉄で行くと出口を機動隊が塞いでいて,外にでることはできないという。タクシーは通すことになっているので,タクシーで首相官邸前の交差点まで行き,そこで降ろしてもらうのがいい,と友人のNさんが教えてくれた。

 なにはともあれ,明日は可能なかぎり平常心を心がけながら,首相官邸前に立とうと思う。そして考え,シュプレヒコールをし,帰ってこようと思う。たぶん,帰ってきてから,さらに考えることは多くなるのだろう。それが大事だと思う。

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