2012年9月16日日曜日

もはやメルトダウンとしかいいようがない民主党政権の迷走ぶり。

 あしたに「原発ゼロ」をかかげたと思ったら,ゆうべには「原発建設継続」を宣言し,夜が明けたら復興予算のうち42億円を「原子力ムラ」に流用しているという記事が踊る。もはや狂気の沙汰どころではない。政権のメルトダウンそのものだ。もはや手のつけようがない。フクシマの原発とまったく同じ状態に陥っている。

 ほんのいっとき,死んだふりをしていた原子力ムラが,黒幕のアメリカさんの強いバックアップを得て,こんどは堂々と表舞台で踊りはじめた。日本という国家はアメリカさんのいいなり。日米安保条約がきっちりと生きている。原子力ムラも原発(電力各社)もすべてはアメリカさんと手を結び,日本の政治を思いのままに動かしてきた。民意がこれほどまでに「原発ゼロ」を求めているというのに,そんなことはどこ吹く風とばかりに無視しつづけている。国民の命よりもアメリカさんのご機嫌を伺うことの方が大事なのだ。すべてはアメリカの国益にもとづく。

 そこまで強い意志をお持ちならば,原発がどうしても必要だというほんとうの理由を,もっと高らかに宣言してはどうか。原発を維持することは最終的に「原爆」を保持することに目的がある,と。すでに,スクープされているように,いま現在の使用済み核燃料だけで,4800発(長崎型原爆)分の原爆を製造することが可能だという。つまり,「核抑止力」として原発は必要なのだ,と。

 ところが「核」は平和利用以外には保持できないことになっているために,口が裂けても言えない。だから,原発にかこつけて「核」を保有したいのだ。ただ,それだけ。それ以外の原発維持の理由はすべて「ウソ」だ。根拠のないでっちあげだ。ドイツ政府の試算でも,原発よりは再生可能エネルギーの方が安上がりだ,とはっきりしている。日本政府の原発政策は,とにもかくにも「原発ありき」のための口実にすぎない。

 オスプレイ配備の問題も同根だ。安全性に問題があるかどうかなどは「眼くらまし」(相撲の手)に等しい。問題は,沖縄の米軍基地をますます強化することにある。民意をねじ伏せてでも沖縄の米軍基地はますます強化されていく。本土復帰の折に約束された「本土並み」の基地問題が,40年を経たいまも,このありさまだ。そこに問題がある。そのことを沖縄の友人たちは声を大にしてわたしにも訴えてくる。そして,いま,民主党政権は「沖縄県民10万人集会」の意志表明をも無視しようとしている。

 原子力ムラの片棒をかつぐ多くのメディアは,こうした問題の本質に迫る情報をいっさい取り扱おうとはしない。そして,それが「世論」を形成しつつある。困ったものだ。あえて指摘しておけば,『東京新聞』でさえ,ときおり,トーンダウンすることがある。おやおや,裏側では相当のプレッシャーがかかっているな,とわかる。

 いまや,日本国民の意志を,ごくふつうの暮しをしている国民の意志を代表する政府も政党も政治家もいない。いまや,日本の中枢部から,完全にメルトダウンを起こしている。手のつけようがない。そして,そこから脱出する手立てもない。フクシマの原発同様,息を顰めて,じっと見守るしかないのか。でも,こちらは決死の覚悟で原発と向き合っている人びとがいる。日本の政府,政党,政治家をなんとかしてやろうという人はだれもいない。

 ことばの正しい意味での「批評家」の存在が霞んでしまっている。なぜなら,本格的な「批評家」をメディアが登用しないからだ。それどころか,完全に排除・隠蔽しようとしている。そして,原子力ムラの片棒をかつぐような節操のない「評論家」たちばかりが徴用され,さも,それが「世論」の良識であるかのように振る舞っている。こうして,国民は完全に「操作」されることになる。

 困ったものだ。さきの選挙で,民主党に一票を投じたわたしは,どのように責任をとればいいのか。日々,悩んでいる。悲しいこと限りなし。

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