2012年11月12日月曜日

「11.11反原発1000000人大占拠」(国会議事堂周辺)に参加してきました。

 朝から曇り空。雲の動きはゆっくりだ。どうかこのまま雨にならないよう,午後7時まで耐えていてほしい,と祈りながら天を仰ぐ。首都圏反原発連合が主催するデモが,日比谷公園の使用を東京都が許可しないために(東京地裁・申立却下,東京高裁・抗告棄却・・・これはひどい話),中止となり,急遽,国会周辺並びに周辺省庁での抗議・占拠(15:00~19:00)と国会正門前大集会(17:00~19:00)に変更となった。

 政府が発表したパブリック・オピニオンですら8割の日本国民が原発に反対しているというのに,原発廃炉への道が一向に見えてこない。それどころか,大飯原発は再稼働させるし,その下に活断層がある可能性が高いにもかかわらず,規制委員会は結論を先送りにしてしまい,政府は停止もさせない。おまけに「もんじゅ」を動かすことまで視野に入れているという。使用済み核燃料を最終処理する技術を確立することは不可能だといわれているのに,またまた,原発を建造する工事を再開させている。政府がやっていること,考えていることは支離滅裂だ。このデタラメをだれも止めようとしない。

 となったら,われわれ国民の手で止めるしか方法はないではないか。その方法もたった一つ。原発推進派の議員を,つぎの選挙で落選させ,一掃すること。そして,なにがなんでも反原発(脱原発もふくめて)を公約する議員を増やすこと。なんとか頑張って,ぎりぎり過半数を確保すること。その意味では,つぎの選挙は日本の将来の命運を賭ける,いな,日本が生まれ変わるための絶好のチャンスなのだ。

 ずっと,このように考えてきたので,とにかく馳せ参じよう,そして,あの場に立って,さらにいろいろと考えてみよう・・・・と。15:00少し前に永田町駅で下車して歩きはじめる。右手に国会議事堂を,そして左手に国会図書館をみながら,国会議事堂の正面に向かう。すでに,国会議事堂側の歩道は封鎖されていて歩くことすらできない。道路を挟んだ反対側の歩道を歩く。もちろん,機動隊員がものものしく警備にあたっている。デモでもない,単なる非暴力直接行動であり,みんなそれぞれに集まってきて,それぞれにシュプレヒコールをして(なかには,黙って考え込んでいるだけの人もいる),帰っていくだけの人びとなのに。しかも,老人が圧倒的に多いというのに。

 まだ,時間が早いので,人もまばらなのだろうと思っていたら,議事堂正面の手前150メートルほどのところから人でいっぱい。指定された歩道は,前に進むこともできない。立ち止まったまま,動けない。このままでは,17:00からの国会正門前大集会に参加できない。仕方がないので,機動隊および主催者側スタッフ,報道関係者が歩く狭いスペースを歩く。なんとか正門前に達したが立ち止まることはできないので,横断歩道を渡って,文部科学省前に向かう。ここでも,すでに,超満員。シュプレヒコールや踊りのデモンストレーションやらが行われている。そこをかいくぐって,こんどは財務省・経済産業省にもある抗議エリアに向かう。ここでも大きな道路を挟んで,両側でそれぞれの抗議行動が展開されている。それから,さらに進んで外務省前抗議エリアへ。ここでもすでに歩道は抗議参加者であふれ返っている。それぞれのところで,一緒にシュプレヒコールをしてから,最初に通過してきた国会前抗議エリアに向かう。時計をみたら,16:40。しかし,すでに,はるか手前から人でいっぱい。前に進むこともできない。


 

そこで一計を案じて,国会前公園に入り込み,公園の内側から抗議エリアに接近。これはまんまと成功。人もまばらで,フェンスに掴まりながら背伸びをすればステージをみることもできる。一番,よさそうな場所を確保して,そこに陣取る(と言っても,立っているだけだが)。このころから少しずつ雨が激しくなってくる。おまけに寒い。かなり厚着をしてきたつもりなのに,あっという間に冷え込んでくる。もう,ここに到着したときから,つぎつぎに人が立って,演説をぶっている。鹿児島,福岡,愛媛,滋賀,富山,福島,北海道,といった遠方から馳せ参じたという人たちが,入れ代わり立ち代わり壇に立って一席ずつぶっている。女性が多いのに驚く。しかも,女性の方が演説がうまい。男は理屈が多くて駄目。こんなときに,そんなものは不要。たったひとことでいい。許せないのだ,ということを,自分の立場,自分のことばではっきりと宣言すれば,それで十分。みんな同じなのだから。

 わたしの知っている人も登壇した。福島瑞穂,志位和夫,亀井静香,新党きずな,国民の生活が一番,民主党(離党覚悟でやってきたのなら褒めてもやろう),などなど・・・・政治家なのにみんな演説が下手。湯川れい子,落合恵子,といった人たちの方がはるかに上手。余分なことは言わない。わたしは許せないのだ,なにが許せないか,それをかんたんなことばで語る。それでいい。つぎつぎに,絶え間なく人が登場するのだから,気持が伝わればそれでいいのだ。

 18:00を過ぎたころから急激に冷え込んでくる。脚もとから冷えてくる。ふくらはぎから太股へと,どんどん冷えてくる。あっという間に腰を越えて,背中にまわる。そのうち,鼻水が流れはじめた。これはいけない。早めに引き揚げなくては・・・・。と,思っていたら,宇都宮健児さんが呼び上げられた。

 この人の演説を聞いて帰ることにしよう,と耳を傾ける。東京都知事選挙に立候補したばかりだから,まだ,演説を聞いたことがない。都知事選に立候補するであろう人もふくめて,唯一,まともな人が立ってくれたと,個人的には思っていた。だから,こんなところで演説が聞けるというのは嬉しかった。弁護士らしく,落ち着いた語り口で,東京から脱原発を発信したい,それを日本全国に広げていきたい,そして,日本から世界に向けて脱原発を呼びかけたい,と訴えていた。とてもすっきりした話ぶりは好感がもてた。欲をいえば,もう少し,強烈なパンチがあれば・・・・。

 宇都宮さんの演説を聞いて,公園から抜け出し帰路につく。18:15。寒さに耐えながらの修行にも等しい最後の1時間余。でもまあ,いろいろの人の話を聞きながら,考えることはあった。印象に残ったのは,こういう集会をやっても少しも事態はよくならないではないかという人もいるが,リミッターとしての役割ははたしているのだ,これ以上に政府を暴走させない歯止めとしてのリミッターでありつづけることが重要なのだ,そのうちにカウンター・ブローとなって効いてくる,だから,しつこく継続していくことが重要だ,というだれかの演説だ。

 よし,金曜日にはまたここにきて立とう。あるいは,首相官邸前に。ひとりでも多くの人を誘って。このあたりをうろつくだけでもいい。国会議事堂散策周回コースでも設けて。群れをなして。鉢巻きでも締めて。あるいは,ちんどん屋の衣装でも着て。


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