2012年12月15日土曜日

あと一日。最悪のシナリオだけは回避したい。ここは次善の策で妥協することに。

 泣いても笑っても今日一日。こんなに不思議な選挙は初めて経験する。選挙運動期間中に,みるみるうちに日本が軍国主義国家に変身しようとしているのだから。それこそ,どさくさ紛れに,衣の下の鎧まで露わにして,恥も外聞もなく「強い日本」を押し出している。そして,その主張にまんまと乗せられている国民が多いというのだから,これもまた呆れてしまう。困ったものだ。

 戦争を知らない世代は平気なのかもしれない。あるいは,マンガや動画の世界のように,邪魔なものはやっつけてしまえ,というその程度の感性でしかないのだろうか。ヴァーチャルの世界がいつしかリアルの世界に横滑りしてきたような話ではないか。そこのところをゲームやマンガが大好きだったというアベ君はよく知っているのかも・・・。いや,ひょっとしたら,いまもアベ君はその世界をリアルとして生きているのかも・・・・。

 はたして,徴兵制を布いて若者たちを掻き集めれば,それで戦場で戦える軍隊がつくれるとでも思っているのだろうか。日本国民1億三千万のほとんどが「茹でガエル」になってしまったというのに・・・。原発の事故による身の危険を感じても,すでに,筋肉が鈍ってしまって身動きできない「茹でガエル」だ。そんな軍隊はあってもなきに等しい。自衛隊の迎撃ミサイルをみればよくわかる。発射延期などというデマゴギーにまんまと乗せられ,気がついたときには上空を通過していたではないか。これが「茹でガエル」の典型的なひとつの事例だ。

 にもかかわらず,今日の新聞にも「自民党圧勝」の大きな活字が躍っている。しかし,ネット上に流れている『神奈川新聞』の記事がわたしの目にとまった。そして,かなり詳細な取材をへて書かれた記事であることがわかり,わたしは密かな期待を寄せている。そこには,つぎのような趣旨のことが書かれている。

 自民党優勢と聞くが,じっさいに神奈川県西部の選挙区をくまなく取材してみると,意外な実態が浮かび上がってくる,と。そして,自民党優勢はほんとうだろうか,と疑問符をつける。自民党候補者は組織票が思ったほどには伸びないという。民主党候補は街頭演説をしても手応えが感じられないという。それを受けて記者は,選挙の盛り上がりが感じられない,と書く。みんな冷めてしまっているのでは・・・と。

 その結果,自民も民主も票が読めない,という。つまり,これまでの選挙のようなたしかな手応えがないというのだ。だから,結果はまったく予測がつかない,と。あとは,無党派層の動き次第だ,という。その無党派層の多くは,脱原発をかかげる党のどこに一票を投ずればいいか,みんな真剣に考えているらしい,と。この人たちの決断次第で,まだまだ選挙の行方はわからない,と。この情報は,わたし自身がそれとなく感じているものときわめて近い。みんな押し黙って,考え込んでいる。なぜなら,自分が票を投じたいという気持ちになれる党がないからだ。選挙に無関心なのではない。むしろ,いつもよりも高い。ただ,受け皿がないのだ。

 となると,投票率が大きな鍵となりそうだという。投票率が低ければ,組織票が生きてくるので,自民・民主有利。投票率が高くなると,この無党派層の票が増えてくる。その多くが脱原発派に流れていくとすると,自民も民主も危ないというのだ。それを取材記者は肌で感じる,とも。

 あとは,天候が鍵を握る,とも。雨はどうやら避けられそうだが,寒くなると高齢者の動きがにぶくなる。幼児をかかえる若い母親も大変になる。それから,この時期は日没が早い。夏の選挙とは大いに違う。これらの要素が複合的に作用して,選挙行動が決まってくる。しかも,年末は忙しいという人たちも多い。

 で,結論は,まだまだ予断を許さない,と。自民党圧勝という報が流れているにもかかわらず,まだ,意志決定をしていない無党派層の人びとの数が圧倒的多数を占めていることに注目すべきだ,と。この人たちは最後まで意中の党派を明らかにすることはないだろう,とも。しかし,棄権をするとは考えられない,とも。

 こんな情報に接すると,まだまだ捨てたものではないぞ,とわたしは期待に胸をふくらませる。そこで考えるのは,つぎのようなことである。まずは,最悪のシナリオを描く党派だけは断固として回避しなくてはならない。その上で,脱原発をかかげる党派のどこを選ぶか。

 同じ脱原発でも民主は×。信用できないから。むしろ,恥も外聞もなくよくも脱原発などを公約としてかかげたものだとあきれ返っているくらいだ。では,どこにするか。あとは,どこでもいい。それでも,比較的多くの公約にわたしが同意できるところがいい。そして,できることなら比較的大きな影響力をきたるべき政権党に対して与えられるところがいい。つまりは,次善の策を選ぶしか方法はない。こうなると,だいたいのところははっきりしてくる。この際,党や政治家の好き嫌いは捨てる。そして,選挙後の動きを監視しながら,よりよい方向に育っていくことを期待したい。その程度の夢しかないが,今回は仕方がない。

 来年には参議院の選挙が待っている。そこも睨んでおきたい。もし,仮に自民党が政権党となったとしても,選挙期間中の「暴走」の反動がかならず返ってくるはずだ。とりわけ,憲法改正(改悪)については,議論百出するはずだ。それでも数の力で押し切ろうとするか。そのやり方いかんによっては,参議院選挙でまたまた大どんでん返しが起こる可能性もある。

 今日一日,無党派層の人びと(わたしも含めて)は慎重に慎重を重ねて熟慮し,日本の未来を見据えた長期的展望に立つ決断をする日にしよう。そして明日の投票結果を見届けた上で,つぎの参議院に向けての対策を考えることにしよう。

 このブログを書くことによって,わたしの「次善の策」がみえてきたように思う。どこかすっきりはしないが,とりあえずは,自分なりの意思表示を,明日の投票日にはしておきたい。

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