2012年12月7日金曜日

ミサイルで自民か,地震で未来か。さてはて,どうなることやら。

 日本の未来の命運を分ける大事な選挙が,これから佳境に入ろうかというときに,北朝鮮では長距離弾道ミサイルを打ち上げると予告(10日から22日の間)。こうなると,憲法を変えて国防軍をもつという自民党に風が吹くことになり,困ったなぁ,と思っていたら,こんどは震度4というかなり大きな揺れの地震が関東・東北の広域にわたって起きた。いまのところ原発に異常はないと報道されているが,やはり,心配なのは津波とそれに合わせて原発事故という東日本大震災の教訓である。このことを考えると,日本未来の党に風が吹くのかな,と勝手な想像をしている。

 このところ,毎日のように選挙に関する世論調査結果(わたしは,これを世論操作結果と呼んでいる)に関する情報が新聞やテレビを賑わしている。まだ,選挙運動がはじまったばかりで,しかも,新党が乱立するという前代未聞の選挙なのに,すでに世論調査(操作)を,いままでと同じ手法で行っている。このこと事態がまったくとんちんかんなことであるという認識もなく,メディアは大まじめに世論調査(世論操作)に取り組んでいる。こんどの選挙は,これまでと同じ方法の調査ではその実態はまったくつかみきれない選挙だ,という認識が欠落している。それで平気でいるメディアの人びとの無神経ぶり,不勉強ぶりは眼を覆いたくなるほどだ。まさに,自分たちが「思考停止」のままでいることに気づいていない。

 こんどの選挙は,これまでとはまったく違う情況にあることを,しっかりと考えるべきだろう。まず,第一に,こんどの選挙に関心があるという人が80%を越えているという。この人たちが選挙に行くとしたら,前代未聞の投票率の高さになる。わたしは,今回に限って,みんな投票にいくだろうと思っている。とりわけ,若い子どもをもつ母親を中心にその夫,そして,それぞれの両親(おじい,おばあ)が動く,と。可愛い子どもや孫のためには,黙っているわけにはいかない,という強い意志のようなものが感じられる。少なくとも,わたしの身辺から聞こえてくるのは,この人たちがこれまでとはまったく違う選挙への関心の高さを示しているということだ。このことをメディアは,知ってか知らずにか,まったく無視している。いつもの頬被り。しかも,ネットでは,日本全国各地で「脱原発」をかかげた市民運動が熱心に展開していることが流れている。このことは,かなり以前から意図的に,マス・メディアは無視である。

 80%の人が選挙に関心をもちつつ,そのうちの60%の人はまだどのように投票するかは決めていないという。にもかかわらず,自民が200議席を越える勢い,とメディアは報じている。よくよく読んでみると,投票行動が決まっているという40%足らずの人びとのうちの半数近くが自民を支持しているというのだ。言ってしまえば,20%にも満たない人びとが自民を支持しているにすぎない。この人たちは,おそらく,どんな情況になってもずっと自民を支持してきた人たちだったのだろう。まだ,60%の人が意志を決めていないことを無視して,自民圧勝,民主苦戦,のような報道がまかりとおっている。その他の党は眼中にない。これを「世論操作」といわずして,なんと呼ぼうか。

 まだ,意志決定をしていない60%の人びとが,じつは,こんどの選挙のキャスティング・ボートを握っているのだ。この人たちは,おそらく雨後の筍のごとく乱立した新党の,ほんとうの姿を見極めるべく,これからの選挙運動をとおしてなにを訴えようとしているのか,なにをしようとしているのかを,じっと注視しているに違いない。この人たちのこれからの意思決定いかんによっては,選挙結果に大きな影響をもたらす,いな,キャスティング・ボートを握っているのは,この人たちだとわたしは考えている。

 そして,ポイントになっているのは,脱原発,反原発,卒原発,などのさまざまな主張の違いの内実をさぐりつつ,最終的に原発を廃止することの本気度を見極めることにある,とわたしは受け止めているのだが・・・・。はたして,どうだろうか。

 こういう情況のなかにあって,北朝鮮は長距離弾道ミサイルの実験をやるという。その一方では,尖閣諸島海域の中国船の動きもある。こうなると,自民党の「国防軍」設置が,にわかに現実味を帯びてくる。それに反応している人たちも少なくないだろう。困ったことになってきたなぁ,と危惧していたら,こんどは,地震ときた。震源地の関係で,驚くほどの広域で震度4を記録している。かく申すわたしも,この震度4の揺れのさなかで,自分の身の危険よりもさきに,原発は大丈夫かな,と考えていた。そして,祈っていたのは,これ以上に大きく揺れるな,ということだった。第二のフクシマが起きたら日本は終わりだと考えているので,自分の身の安全と同時に,原発の安全を祈っていた。いまのところは異常は報告されていないというが,これも信用できない。都合の悪いことは報告しないという実績が,すでに明らかになっているからだ。

 これだけ揺れると,わたしと同じように考えた人も少なくないだろう。だとすると,この地震は日本未来の党に風を呼び込むことになるのだろうか,と考える。それほどに,いまの日本人は原発のことに思いをいたしている,とわたしは思っている。だから,北朝鮮のミサイルと今日の地震は,日本の行方に大きな影響を及ぼすことになるのでは・・・・,とあれこれ想像をたくましくしている。政治姿勢よりは,外圧に大きな影響を受けやすい日本国民のことだ。意外に,こんなことから選挙の帰趨が決まったりするのではないか・・・と。

 さて,残り8日間の選挙運動に,この二つのできごとがどのように影響するのか,わたしは胸をドキドキさせながら,このブログを書いている。

 わたし自身の立場は変わらない。尖閣もミサイルも「人為」の問題だ。これからの努力(外交,など)によっていかようにも対応は可能だ。あとは,選択肢の問題だ。しかし,地震は人為をはるかに超えた自然の活動である。地球のごくあたりまえの活動のひとつだ。これに逆らうことはできない。その地震と折り合いをつけるのは,原発を止めること以外にはない。これは自明なことだ。これはシモーヌ・ヴェイユのいう「義務」だ。自己中心主義的な「権利」を主張する人たちには,このことの意味を理解することはできないのだろう。

 情けないことに文明人は「権利」しか主張しなくなってしまった。しかし,その「権利」とて,他者の承認がえられなければ,なにほどのものでもない。つまり,あってなきがごときものなのだ。それに引き比べ,シモーヌ・ヴェイユのいう「義務」は「永遠で普遍的で無条件的なるもの」なのである。このことの意味については,追ってこのブログで書く予定。

 わたしの結論は,原発を廃止することはシモーヌ・ヴェイユのいう「義務」である,というものだ。詳しくはのちほど。

 今日のところは,ひとまずここまで。

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