2014年1月13日月曜日

都知事選。93%が「投票行く」と『東京新聞』。早くもヒートアップ。

 たった22%の得票率で,圧倒的多数の議席を確保した政府自民党の,目に余る「暴走」ぶりにようやく多くの国民が目覚めつつあるようだ。いまになって,「しまった」と思っている国民が急増しているのだろう。やはり,どこかで歯止めを打つ必要がある,と。

 そのチャンスが,ありがたいことに,こんなに早く巡ってきた。それが2月9日投開票の都知事選。気の早い話ではあるが,もうメディアは投票行動に大きな影響を及ぼす,いわゆる「アンケート調査」を開始し,つぎつぎに情報を流しはじめている。選挙に関心をもってもらうにはとてもいいことではあるが,それが有権者の無意識に働きかける誘導尋問的なはたらきをしていることには,大きな危惧をいだいている。その点,有権者はよほど注意しなくてはならない。

 しかし,それにしても,「93%」が投票に行く,という「都民調査」の結果は,近来まれにみる朗報である。これでいよいよ都知事選に火が点く。ネットを流れている情報によれば,政府自民党の執行部は相当に危機意識をいだいているらしく,もうすでに,自民党が支援する候補が負けた場合には・・・というつぎのステージへの大転換に向けた動きが内部で起きている・・・・とか。もし,それが本当だとしたら,選挙結果いかんによっては予期せざるとんでもないことが起こりうる。

 となると,ますます,都知事選はヒートアップせざるを得ない。有権者にとっても,自分の投票行動によって,ひとつの大きな国家的な転換が可能だとなれば,「よし,それならば・・・」という気にもなる。その意味でも,今回の選挙はとてもいい教訓になりそうだ。おそらく全国の国民の多くの人びともかたずを飲んで見守っていることだろう。

 この調査結果によれば,「半数が態度未定」という。それは当然だ。まだ,選挙公約すら公表されていないのだから。これから公表される選挙公約を読み,演説に耳を傾け,じっくりと考えればいい。そして,この人こそ,という人に票を投ずればいい。もちろん,その投票結果にも責任を負うという覚悟で。

 候補者に不満はない。これが今回の選挙の大きな特徴だ。これだけの候補者が揃えば,まずは,よしとしよう。もっとも,厳密にいえば,終始一貫して筋がとおっている候補者はたったひとりしかいないが・・・・。それはともかくとして,一般の有権者としては,これだけの顔ぶれが揃えば,一人ずつ首実検をしながら,比較検討する価値はあるというものだ。

 今日の新聞で,いくらか安心したのは,「改憲反対56%」「脱原発6割超」という数字である。もちろん,こんな数字で満足できるわけではないが,これからさらに「改憲」の危険性が議論され,「脱原発」しか道はないのだということが周知されれば,次第に整合性をもった議論が盛り上がってくるものと思われる。そこに期待したい。

 だから,「改憲」ということがどういうものなのか,「脱原発」と「原発推進」の根拠はなにか,その違いはどこにあるのか,メディアはもっと気合を入れて報道してほしい。そして,こんどの選挙でなにが問われているのか,逃げたり,隠れたりしないで,きちんとしたジャーナリズムの姿勢を示してほしい。それこそ社命を賭けて。

 あとは選挙民が判断することだ。それだけに選挙民の責任は重い。ここで間違えたら,つぎの選挙まで,その負債を背負いこむことになる。そういうことを覚悟で選挙に臨んでほしいものだ。国家の命運がかかっている,そういう覚悟が求められている。東京都民の責任は重大である。

 そういうことを充分に反映している数字が「96%」の「投票行く」という結果なのだろう。その意味では,すでに,気合充分。あとは,選別眼をたしかなものにすること。それだけだ。しっかりと熟慮してほしい。そして,わたしの希望しているような結果がでることを,大いに期待したい。

 こんどこそ,東京都民の良識を信じたい。
 

1 件のコメント:

柴田晴廣 さんのコメント...

 先のコメントにも書きましたが、東京が江戸といわれていたころ、「うかつあやまり」といった粋な習慣がありました。
 この「うかつあやまり」の真逆のことをやっているのがアベ。
 東京都民イコール江戸っ子じゃありませんし、アベに負けずとも劣らない野暮天イシハラを選択したのも東京都民。
 都知事選を通して、東京都民の言動を人類学的に眺めてみてみようと思います。