2014年11月4日火曜日

新関脇逸ノ城の原寸大の「手」。みればみるほど不思議な手。

 「逸ノ城×原寸大」「天下逸品 大草原の手」という見出しの,一面の半分を割いた,とてつもない記事を『東京新聞』がやってのけた。11月1日(土)夕刊。

 一瞬,一面トップに「広告」?と勘繰った。つぎの瞬間には,ああ,とうとう,東京新聞もスポーツ新聞に堕落したか,と脳裏をよぎる。

 しかし,よくよくみると紙面の左下のところに「ビジュアル夕刊」とあり,企画編集・甲斐毅,写真・沢田将人,文・平松功嗣,と書いてある。うぬっ?ちゃんとした企画ものではないか。その主旨がどこかに書いてあるかと思って探してみたが,どこにもない。あとは,こちらの勝手な想像。

 そうか,世の中,ますます暗いイメージの方に押し流されていく。そして,考えれば考えるほどに,ますます憂鬱になってしまう。たまには,パッと明るい気分になれる情報を流すことも必要ではないか,と編集長は考えたのだろうか。ならば,今月9日(日)に初日を迎える大相撲九州場所で,驚異的な出世をして登場する新関脇逸ノ城にスポットを充ててみるのも一案ではないか,と。少し肩の力を抜いた夕刊の企画としては面白かろう,と。

 とまあ,そんなことを考えながら,逸ノ城の原寸大の「手」をじっとみる。おやっ?どこか変だ。原寸大ということを度外視して,少し遠くに離して,もう一度,じっとみる。どうみても変だ。少なくとも大人の手にはみえない。そう,子供の手,いや,赤ん坊の手に近い。

 
指の根元が太い割には指先が細い。しかも,先端がずんぐりと丸い。思わず,自分の手と比べてみる。わたしの手は根元から指先までほとんど同じ太さ。しかも,指先はもっととんがっている。こうなると,爪はどうなっているのだろうか,と気がかりになる。

 つぎにやったことは,自分の手をあてがってみる。なるほど,でかい。掌の一番下に合わせてみると,その大きさに驚く。桁違いの大きさだ。これまでにもお相撲さんの手形はたくさんみてきたが,たぶん,特大の部類に入るだろう。

 もう一度,遠くから眺めてみる。すると,手のひら(掌)が異常に大きいということに気づく。そして,指は意外に短い,と。おやおや?である。そうか,この巨大な手のひらと指の短さのアンバランスが手の幼児性となって現れているのか,と。遠く離して眺めてみると,なんと可愛らしい手であることか。幼児の手そのものだ。

 これが遊牧民の標準的な手だとしたら面白い。手のひらが異常に大きくて指が短い,この手が遊牧民の労働形態から生みだされた必然だとしたら・・・。しかも,指先が細くなっている。これは手先が器用な人に多い指だ。かれの巨体に似合わず,手芸などが得意かもしれない。握力約70㎏は,力士としては少ない方だ。記者はなにか勘違いしているようだが・・・。たぶん,ほんとうの握力はもっとあるはずだ。力士は総じて握力検査をまともには受けようとはしない。むしろ,怪力を隠す傾向がある。

 まあ,いずれにしても逸ノ城のこの可愛らしい手が,九州場所でどのように活躍するのか,いまから楽しみにしておこう。ちなみに,わたしのみる手相術からすると,とてもいい手相をしている。この手相は横綱に値する。新関脇は間違いなく大活躍することだろう。手のつけられない怪物ぶりを大いに発揮してもらいたい,といまから楽しみ。

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