2014年12月9日火曜日

「五輪アジェンダ2020」40項目の採択がはじまる。野球,ソフト,復活か。

 12月8日(月),モナコでIOCの臨時総会が開催され,バッハ会長が11月18日に提案していた中長期改革「五輪アジェンダ2020」の40項目にわたる改革案の審議がはじまりました。審議の方法は,1項目ずつ提案の説明があり,それに対する意見陳述を行い,その上で「採決」をとる,というものです。したがって,相当に長い時間がかかるようです。

 このバッハ会長の提案する「五輪アジェンダ2020」の原案は,11月18日にはすでに各IOC委員に送付されていて,事前に検討することが要請されていました。したがって,日本でもJOCで,この素案を検討していたはずなのですが,その情報はほとんど知らされていません。メディアの怠慢なのか,それとも「極秘」で行われ,その内容については公開されなかったのか,そのいずれであるかもわかりません。

 テレビのニュースをみるかぎりでは,日本の竹田委員が意見を述べている様子が写っていましたので,それなりの準備をしていったことは間違いありません。しかも,冒頭に取り上げられた改革項目は,「開催都市が実施競技種目の追加を提案できる権利」を認めるものでした。ですから,竹田委員が意見を陳述するのは当然のことで,もちろん,賛成意見を述べたものと思われます。しかも,この項目が承認されたというので,今朝の新聞もテレビも大きくこの情報を流しています。

 早速,色めき立ったのは,五輪の競技種目から排除されていた野球とソフトの関係者です。日本での人気種目であり,メダル獲得の有望種目ですので,当然のことでしょう。これに追随するようにして,空手,スカッシュの団体が,あわよくば・・・と三つ目,四つ目の椅子をねらっているようです。

 まあ,要するに,日本の関心は,メダルをひとつでも多く取りたいという一念で,日本に有利な競技種目を追加する道を開く可能性のある,この「五輪アジェンダ2020」の40項目の採択に関心を寄せているだけのようにもみえてきます。が,このアジェンダにはいろいろの重要な改革案が盛り込まれているようです。

 これから採択が決まったものから順に,大きな話題になり,議論がでてくるものと思われます。ので,この会議が終わったところで,トータルな私見を述べてみたいと思っています。その予告編をごく簡単に述べておけば以下のようになります。

 IOCのバッハ新会長が就任早々に,「五輪アジェンダ2020」を提案して,その採決を求めたのはなぜか,という大きな問題があります。しかも,IOCの基本理念を謳った「五輪憲章」の一部改正までして,「五輪アジェンダ2020」を,大急ぎで提案しなければならなかった理由があるはずです。それは,ひとことで言ってしまえば,現状のようなやり方で五輪開催を継続していくことは,もはや,不可能な時代になった,という現状認識です。つまり,五輪開催そのものが大きな壁にぶち当たっていて,このままではジリ貧に陥り,やがては開催を希望する都市がなくなってしまう,という強い危機意識がその背景にはある,ということです。

 もう少しだけ踏み込んでおけば,五輪そのものが商品と化し,金融化がどんどん進展することによって,一時的には五輪開催都市は儲かるとみなされましたが,金融化が進めば進むほどみずからの首をも締め上げるという事実が露呈してきた,ということです。

 たとえば,日本で言えば,新国立競技場の建造計画がその典型的な例です。8万人の観客を収容し,9レーンの走路を備えなくてはならない,というIOCからの要請に応えようというわけです。そのために,歴史的遺産としての価値のある現・国立競技場を解体して,あらたに新国立競技場を建造しようというのです。そのためには巨額な費用が必要となり,すでに,その縮小案にとりかかりつつありますが,その手続の段階でいろいろの問題が噴出し,一部では破綻をきたし,頓挫しつつあります。

 この問題は,また,別のロジック(民意の否定・民主主義の否定)も絡んでいますので,別途,詳しく論じてみたいと思います。いまは,まだ,事態が流動的ですので・・・・。といいますのは,こんどの「五輪アジェンダ2020」の採択結果いかんによっては,東京五輪2020の最終的な計画案も相当に様変わりをすることになる可能性があるからです。となると,また,別の問題が派生してきます。たとえば,五輪招致運動のときの東京五輪2020の企画・構想とはいったいなんだったのか,という新たな疑問も湧いてきます。

 そんなこんな,あれこれ含めて,いまモナコで開催されているIOCの臨時総会のメインの議題「五輪アジェンダ2020」は,大いに注目に値します。詳しくは,また,機会をあらためて,そのつど書いてみたいと思います。

 とりあえず,今日のところは,ここまで。
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