2015年12月18日金曜日

癌患者に太極拳を取り入れている帯津良一医師。

 末期癌のステージ4を生きるわたしは,現段階では,「要観察」となり,「しばらく様子をみることにしましょう」ということになりました。その経緯のこまかなことは省略しますが,主治医との面談の結果,しばらく様子をみるのが総合的に判断して「ベター」だろうというところに到達した,という次第です。

 そうなりますと,こんどは,なにもしないでぼんやりしているわけにもいきません。患者としてできる自助努力はしっかりとやっていかなければ・・・という次第です。そして,そのうちのいくつかは,すでに以前からはじめています。

 そのうちのひとつは,太極拳です。ひとくちに太極拳と言っても,その中味はさまざまです。つまり,「やり方」そのものが重要です。多くの人は,上手になることをめざします。わたしも,ずーっと上手になりたいと願っていました。もちろん,この願望は永遠につづくのでしょう。でも,もうひとつの視点をとりこむことによって,太極拳の稽古の「やり方」(内実)はがらりと変わります。

 それは,最初の癌の切除手術を受けたあと,李老師から何回も何回も指摘されてきたことです。このブログにも,そのことは書いてきました。つまり,可能なかぎり脱力し,だらしなく,てれんこてれんこ「やり」なさい,という指摘です。そして,からだにはできるだけ負担をかけないで,意識だけ,技のイメージをしっかりと描きながら,心地よさを探しなさい,というわけです。

 つまり,この「心地よさ」を探求しなさい,というのが李老師の意図するところです。その「心地よさ」の領野を,少しずつ少しずつ拡げていきなさい,というわけです。そして,それが術後の回復にはとてもいいのだから,と。

 言われたからといって,すぐに,ほいほいとできるわけではありません。しかし,こころがけているうちに,なんとなく,こんな感じのところかな,という領野がわかってきます。いまは,そんなところを目指して,週一回の稽古に励んでいます。しかし,これからは,もう少し回数を増やすよう努力したいとおもっています。ひとりではなかなかできないのですが・・・・。

 と,こんなことを考えていましたら,帯津良一医師も太極拳を癌治療には役立つとして,推薦しており,みずから実践・指導もしているという話を思い出しました。そこで,再度,インターネットで確認してみましたら,つぎのようなことがわかりました。

 みずから病院長をしている病院の患者さんたちと一緒に太極拳を楽しんでいらっしゃる。それも,自分がやって楽しいしから,と。そして,太極拳の稽古をした日は一日,とても調子がいい,と。だから,患者さんたちにもいいはずだ,というのです。ですから,天気のいい日は病院の屋上に集って,みんなで太極拳を楽しむのだ,と。それが癌治療にも効果をあげている,と実感しているともいいます。

 もちろん,太極拳の専門家を指導者に招いて指導をしてもらいつつ,ご自分でも,「時空」と名づけた特殊な太極拳を工夫して,その指導もしている,というのです。しかも,病院だけではなく,池袋に道場を開いて指導・実践をしているとのことです。ですから,帯津医師の太極拳は生半可なものではありません。

 ここで興味深いのは帯津さんが「時空」と名づけた太極拳です。とくに確認したわけではありませんが,「時空」という名前からして,「時間・空間」であり,その中に溶け込んでいくことを目指した太極拳に違いない,とわたしは想像しています。これは,たぶん,李老師がわたしに指示したことと同じ発想からきているな,と。

 帯津良一さんの病院は,癌治療に特化した病院ですので,入院患者はぜんぶ癌患者です。ですから,とりたてて太極拳が上手になる必要性はなにもありません。むしろ,太極拳をやることによって感じられる快感を重視してのことに違いない,というのもわたしの確信です。どうして,太極拳を導入することになったのかという経緯については,ずいぶん前に何冊か書かれた著書のなかに詳しく説明されていますので,そちらをご覧いただきたいとおもいます。

 いずれにしても,帯津良一さんのような名医が,太極拳は癌治療に役立つと考えられていること,そして,みずから実践もされていること,さらには「時空」という太極拳を工夫されていること,病院だけではなく道場まで開いて指導にあたっていること,そして,それなりの実績をあげていらっしゃること,等々,いいことずくめです。

 こうなってきますと,やはり,太極拳の稽古の回数をなんとしても増やしていくしかない,とみずからに言い聞かせています。まあ,これもあまり無理をすると長続きしませんので,ぼちぼち始めることにしたいとおもいます。

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